ぼくらは綴っているので

男ふたりの気ままな雑記

散髪。

僕はどうすればよかったんでしょうか。

 

 

先日、髪を切ったんです。

普段は、思い立ったときに予約もせずにフラっと美容室*1に行き

「本日はどうされますか?」

「カットとシャンプーでお願いします。」

「担当者の希望はありますか?」

「ないです。」

のやり取りを経て、ソファーで名前を呼ばれるのを待つ、病院の待合室方式でやらせてもらってるんですが、今回は、前回担当してもらった方をリピートしたく、初めての予約と担当者の指名をしました。

 

 

ところで皆さんは、「美容師との世間話問題」についてどのような考えをお持ちでしょうか。

 

おしゃべりが好きな方もいれば、あまり得意でない方もいる。

いろいろな考えがあると思うのですが、僕はあの世間話が苦手で、話しかけられるとなぜか妙に構えてしまって

…き、気の利いた…気の利いたこと言わなくては…

…はなしを…ひろ…広げなくて、は…

みたいになるので、できることなら無言で過ごしたいんですよね。

 

 

前回担当してもらった方は、そこが理想的でした。

切り始める前の、どんな感じにしますか?のやりとりの後は、ほとんどこちらに話しかけることなく、すんなり終わっていきました。

これはいい!とてもいい!QOB*2爆上がり!

毎回これでお願いしたいと思いました。

 

 

そして、予約した時間に美容室に向かい、受付を済ませて、いざ出陣です。

担当の方はもちろん前回と同じ。はじめのやりとりも終わり、置かれた雑誌*3をパラパラとめくっていると

 

 

「年末はどちらか行かれたんですか?」

 

おや?

 

「この頃寒いですよねぇ。」

 

おやおや?

 

「この前なんて雪も降りましたよね~。」

 

おやおやおや?

 

 

そうです。担当者の彼は、指名してもらったやる気、さらなるリピートにつなげる使命感、そして、この場を盛り上げようというホスピタリティから、めっちゃ話しかけてくるのです。

 

 

それが、リピートを遠ざけるとも知らずに…

 

 

教えてください。僕はどうしたらよかったのでしょう。

どうしたらあの時の彼のままでいてもらえたのでしょう。

 

 あの時の、理想的な彼のままで…。

 

 

 

 

*1:美容室と理容室と床屋の違いをこれまでに5回は調べている。今回でまた1回増えた。

*2:quality of barber

*3:どんな雑誌を置くかは客の雰囲気で決めるのだろうか。ちなみに僕はメンズファッション誌をほとんど置かれない。置かれたところでおそらく読まないので客の雰囲気という点では正解だが、複雑な心境である。

「ヒーロー。」

目が覚めると、知らない場所にいた。

それは一般的に想像される宇宙船の中のようであり、時代設定が未来のSF映画に登場する秘密基地の中のようであり、

とにかく銀色のコンピュータやら青と緑が点滅するパネルが程度よく散りばめられた部屋であった。

目の前にはマスクを被った男女が4名座っており、それらと対面する形でぼくも座っていた。

眼前の男女はそれぞれ赤、黄、緑、ピンクのそれぞれ独立したデザインのマスクとスーツを着用しており、そのうちピンクのマスクを着けている者のみが女性であった。

「では、自己紹介とこれからの任務について説明しよう。」

4人のうちの赤いマスクを被った男が口を開いた。

彼の話によると、彼らは「平和戦隊ゴセイダーズ」というらしく、悪の組織「破壊軍団ザーク」を滅ぼすため日々活動中だという。

一方「破壊軍団ザーク」とは地球滅亡を目論む怪人たちの団体であるが、団体とはいっても現在は「ゴセイダーズ」の精力的な活動のおかげでその数を10体ほどとしているらしい。

団員数を減らされたザークは地球の子供を誘拐し、怪人へと変身させる手術を行う事で数を増やし、世界征服を企んでいるらしかった。

そして先日、共に活動していた「ゴセイブルー」が殉職したため、ぼくが新たに「ゴセイオレンジ」となり今後彼らと共に活動していく事になるという答えが返ってきた。

「ゴセイダーズは5名での活動が決定づけられているからね。君もこれでゴセイダーズよ仲間入りだ。安心したまえ、給料は良いしプライベートの時間も大きく確保できる。それに秘密裏な活動ではあるが誇れる仕事だよ。」

ゴセイレッドはそう言うと握手を求めてきた。

彼にはぼくがこの人達と活動する事を断らない自信があるようなふしがあった。

「仕事内容と給料について教えてください。」

未だ不安なぼくは彼にそう質問した。

「ザーク達は月に一度子供をさらいにやってくる。そのタイミングでの彼らの活動の阻止が我々の任務さ。それ以外の時間はザークの出現時間と場所の特定作業をしているよ。月に一度のザーク戦を除けば忙しい仕事ではないね。

給料は日本政府から「平和維持活動費」の名目で月に一度、1000万円ほど受け取っているよ。我々5人で100万円ずつ頂戴し、残りの500万円はぼくらの活動費に当てているよ。」

どうやら激務ではなさそうであるし、給料面も高待遇であった。

「分かりました。ぼくの前任のゴセイブルーさんが殉職したらしいですが、安全面はどのようなものですか?」

続いて現在唯一の懸念事項を質問する。

「前ブルーについては残念だったよ。我々ゴセイダーズ100年の歴史で唯一の事故さ。彼はルールを守らないヤツだったからね。でも君はきっと大丈夫さ、ルールさえしっかり守れば安全な仕事なんだよ。ルールは大事さ、形を成し続けるには必ず御触れがいる。そうだろう?」

そう言ったゴセイレッドの声には少しばかりも悩みや迷いがないようなものに感じた。

「分かりました。あなた達の活動を共にさせていただきます。」

こうしてぼくは晴れてゴセイダーズの一員となり、彼らと共に仕事をするようになった。

彼らと過ごして1週間ほどした頃、毎朝のミーティングで「本日中にザーク出現の時刻と場所のメールが来ます。そしてその後屋外にて実務作業になります。」と伝えられ、その数時間後に基地はメールを受信した。

「本日午後4時より場所○○にて、破壊活動あり。」

「よし、向かうぞみんな。」

移動中、「なぜメールの受信と本日の活動を予測できたのですか?」と質問すると「ああ、ここ90年はそういうルールだからね。」とグリーンに言われた。

あまり口を出すな、という印象があった。

現場に到着するとザークの怪人が幼い少年を抱えていた。

子供は劈くような泣き声を上げている。

「また幼い少年を拐おうとしているのかザーク!お前らの野望を今日止めてやる!」

レッドが意気揚々と声を上げる。

「出たなゴセイダーズ。そうはさせない。我々はこの少年を怪人へと改造し、我々の仲間にするのだ。」

怪人は細く、武装もしていない。

素人目からしても簡単に倒せるようなものであった。

しかし、彼の声には「やられる」という不安や、ましてや「戦う」という意気込みすらないように思えた。

「くそう、現在10体いるザークは不死身の体を有しており我々が今ヤツを倒す事は不可能。そして彼らは新たに怪人を増やそうとしている、ならば今我々ができることは!」

ゴセイレッドは抑揚のない声でそう言うと続けて「今月の担当はイエローだったね。」と言った。

イエローは「はい、そうです。では行ってきます。」と軽く返事をし、怪人から子供を受け取ると、懐からナイフを出し子供の胸にそれを刺した。

胸を穿かれた少年と、ぼくはまるで何が起きているか分からないという様子だった。

その後胸にナイフを沈めた状態で死亡した少年とを怪人が回収し、その作業が終わるとゴセイピンクが怪人に厚く膨らんだ封筒を渡し「今月の500万円です。」と言った。

怪人はそれを受け取ると、先程イエローが殺した少年が入った袋と共に自前の飛行船に乗り、どこかへ飛んで行った。

遠くに消えゆく飛行船に向かって僕以外の4人は揃った口調で

「くそう、90年前に10体までに減らし地球を救ったが、今回もまた彼らを全滅させることはできなかった!しかし、尊い犠牲を払い、今月も彼らの野望を食い止めたぞ。我々はまだ諦めない!」

と吼えた。

帰り道、ゴセイレッドはぼくの肩に手を置き、また自信に充ちた声で「ブルーのようにはならないよう、変な事を考えずにルールは守ってくれよ。」とぼくに言った。

僕の肩に置かれた100年の歴史を感じた。

初詣。

元旦、初詣で明治神宮に行きました。

お参りが終わり、ぶらぶらと竹下通りの入り口を通りかかると、規制線が張られていて、警察の人やら報道カメラやらが沢山いました。

 

 

「何かあったのかな?」

 

 

何の気なしに口に出すと

 

 

「トラックが突っ込んだらしいわよ!!」

「何十人もはねられたんですって!!」

 

 

聞いてもないのに横から野次馬おばさんに突っ込まれました。

野次馬おばさんは口早に事件の概要を話し、こちらのリアクションを聞くこともなく足早に去っていきました。

 

 

辻斬りです。辻斬り野次馬おばはんです。

 

 

凄まじい速さで斬られました。

クロロの手刀レベル。俺でなきゃ見逃しちゃうね。

 

 

彼は見逃しませんでしたが、僕は完全に見逃し、

太刀筋すら分からぬまま何の抵抗もできず、一刀のもと敗北しました。

 

 

相当な手練れです。手も足も出ませんでした。

2019年初戦、完敗です。

 

 

えも言えぬ敗北感を抱え、竹下通りの入り口に立ち尽くしました。

空を見上げると、気持ちのいい青空が広がっていました。

 

 

明けましておめでとうございます。

今年は、後厄です。

 

 

P.S. 

おばはん話盛りすぎ。

 

 

 

 

 

 

「練習をしていた。」

ここ最近はブログの更新を一旦お休みし、

「あぁ早くブログ書かなきゃいけないのに」の練習をしていた。

 

恥ずかしながらぼくはあまり「あぁ早くブログ書かなきゃいけないのに」が得意ではなかった。

何もないとブログの文章などスラと書き終えてしまう。そんな自分におさらばするための最近であった。

 

 

「あぁ早くブログ書かなきゃないけないのに」を上手くなるためには、まずは体づくりから始める必要があった。

 

はじめに1日15分のブログの記事を考える時間を廃止した。

これによりブログに対する意識を意図的に低くする。

その分、それまでの綿密に計算されたぼくのスケジュールを15分ほど調整せねばならなかったが、

「あぁそろそろ起きなきゃいけないのに」の練習を15分ほど増やす事でバランスをとる。

 

 

体が引き締まり、脚さばきが速くなってくると、次は「大乱闘スマッシュブラザーズ」の練習を始めた。

「あぁ早くブログ書かなきゃいけないのに」の練習と「大乱闘スマッシュブラザーズ」の親和性は高く、非常に効率よく「あぁそろそろブログ書かなきゃいけないのに」ができるようになってきた。

 

 

2週間ほど経ち、体は仕上がり、もはや何も考えずとも「あぁ早くブログ書かなきゃいけないのに」ができるようになってきた頃、ついにプロチームからのオファーがかかった。

 

スカウトマンは「この歳でこんなに美しい『あぁ早くブログ書かなきゃいけないのに 』ができる人がいたとは。」と言って、20億円で4年契約の話を持ちかけてきた。

 

 

 

ぼくは断った。

 

 

 

これ程までに練習した「あぁ早くブログ書かなきゃいけないのに」が認められ、厳しくも華やかな世界で生きていける。

しかし、ようやく手に入れた平和な日常を捨てることはできなかった。

 

「まだ、3記事しか書いていないので。」

自嘲を含んだ笑顔でそう伝え、自宅に帰り、今こうしてブログの文章を書いている。

 

 

「あぁ早くブログ書かなきゃいけないのに」を極めた先に見える世界があった。

しかし、その世界には行かなかった。

それで良かった。

それが良かった。

 

 

明日からは「あぁこんなことしている場合じゃないのに」を練習したいと思う。

好きなもの。

好きなものの話を聞いてほしい欲、ありますよね。

そうなんですよ。あ、聞いてもらえます?

ありがとうございます。

 

ぼくね、野球が好きなんです。

 

物心ついた時から、夕食時にはテレビでジャイアンツの試合が流れているような家でした。生まれた時からジャイアンツファンです。サラブレットですね。

 

そんなサラブレットの僕が、野球のどこが好きかって話なんですけど。

 

 

まず、野球って試合数が多いんです。

プロ野球は年間143試合あって、3月の終わりから11月の頭まで毎日のように試合を見れるんです。

例えば、週刊少年ジャンプは週に1冊しか出ませんが、プロ野球は週に6試合見れます。

つまりは、プロ野球=6ジャンプです。(謎理論)

 

 

あと、野球は ”ながら見” に向いてます。

攻撃と守備が分かれてて、攻守が切り替わるタイミングでインターバルがあります。

それと、野球はピッチャーがボールを投げて、バッターが打って、走ります。

当たり前?すいません。

つまりは、すべての動きはピッチャーが投げてからスタートするので、集中するタイミングがわかりやすくて、他のことをしながらでも楽しめるってことです。

 

 

あと、野球はデータがとっても豊富です。

ピッチャーがボールを投げてプレーが始まると、ストライクになったり、ヒットを打ったり、得点が入ったりします。

そして、シチュエーションが変わって、またピッチャーがボールを投げます。

ピッチャーが1球1球を投げるごとにプレーが積み重なっていくので、データが取りやすいスポーツなんです。

 

野球のデータにはいろんなのがあります。

バッターがどれくらいヒットを打ったか、ピッチャーがどのくらい得点を許したか、守備で相手からどのくらい得点を防いだか、などなどなど。

 

そういうデータを使って、どんな選手を集めてチームを作れば、試合に勝てるのか考える手法を、セーバーメトリクスっていいます。

 

アメリカのメジャーリーグはそういうデータの分析が大好きで、チーム作りにも活かされてます。

2011年に映画化されている『マネーボール』は、弱いチームをセーバーメトリクスの考え方で強くするぞという球団経営者のお話です。ブラピめっちゃかっこいい。

マネーボール (字幕版)

マネーボール (字幕版)

 

 ぼくはこの、野球のデータの豊富さがとても好きで、データを見ると選手のことがより分かったような気がして、それがとっても面白いんです。

 

あとは……え?長い?用事がある?

 

分かりました。じゃあまた今度、改めてお話ししますね!

 

 

 

 

「寝ていた。」

低気圧がくると体調を崩す人なので、今日は大変だった。

 

 

頭が割れるように痛くなり、ついでに足も筋肉が張り、皮を破き裂けるように痛くなるのだ。

苦しいのでずっと寝ていた。

あまりそういった体質の人がまわりにいないので同感を得られないのもまた苦しいので寝ていた。

 

どのくらいに寝たかは覚えていないが、起きたら日が沈む頃だった。

 

 

「いけない、せっかくの休日を寝過ごしてしまった。」

と嘆きながら、ベッドから這い出、歯磨きをし夕暮れの散歩にでも行こうと外に出るととても寒かった。

 

また「ああ、いけない。」と、踵を返しクローゼットの奥に閉まってあるコートを手に取り、再度玄関のドアを開ける。

 

ついに外に出ると、なんだか知らない街並みのような気がした。

 

行き交う車は丸みを帯び、随分と洗練されたデザインのようだった。

 

あら、と思いながらも近所で行きつけのカフェへ向かうと、そこはいつの間にか閉店していてマンションになっていた。

最近顔を出していなかったからであろうか。

閉店するのであればマスターも言ってくれればいいのにと思った。

 

寂しさを孕んだため息をつき、近所を回る。

見知らぬ街並みのような感覚が消えない。

 

 

通行人は皆、ゲームボーイのようなものを手にし、それを弄りながら歩いている。

 

ゲームが大好きなぼくは、通行人の1人をつかまえて「それはなんですか。」と尋ねてみると、その人は大変不審そうな目をこちらに向けながら口を開いてくれた。

その人曰く、「あいふぉん」というものらしい。

 

勇気を振り絞って「それはゲームボーイの進化系でしょうか、ぼくは知らなかったです。」と聞くと、

それは携帯電話らしい。

どうやらゲームボーイはもうなくなって、今は「でぃーえす」になり、スーパーファミコンは「すいっち」になっているらしかった。

 

そこでぼくは怖くなって、会話の途中で逃げ出し慌ててコンビニに駆け込み新聞紙を買った。

 

その新聞紙は今の日付を2018年の12月としていた。

 

 

なぜか、ぼくが持っている携帯電話はアンテナをどれほど伸ばしても繋がらず、辺りには公衆電話もない。

 

 

そうしているうちに日はすっかり沈み夜になってしまった。

どうやらだいぶ寝過ごしてしまったようだった。

「マスターに挨拶をしたかったなぁ。」と考えているとまた頭と足が痛くなってきた。

好き嫌い。

小さい頃からほとんど好き嫌いが無くて、

なんでもおいしいおいしいと食べる子供でした。

強いて言えばパクチーが苦手なんですが

 

 

このツイートを見て、確かにパクチーにも感謝しないといけないなと感じ

 

つまりは、ほとんど嫌いな食べ物はなく、さらには唯一苦手なパクチーにも感謝の意を示しているという、食べ物博愛主義者なわけですよ。食べ物版マザー・テレサです。

 

 

ただ、こんなにも食べ物への優しさに溢れているはずなのに、

おそらく、好き嫌いが多い人の方が食への関心が強いですよね。

 

好き嫌いが少ないというのは、「好き」と「嫌い」の幅が小さくて、「どちらでもない」がたくさんいるということなんですよね。

好き嫌いが多いというのは、「嫌い」が大きい分、「好き」もまた大きくて、その好き嫌いの幅こそが興味の根源なると。

 

なんか色んなことに言えそうですね。

 

 

の反対は憎しみではない 。無関心だ。』―マザー・テレサ

 

 

んー、深い。やっぱりまだ名乗るには早すぎたようです。